Derringer 8mm  マルシン工業製

○テクニカルデータ
 全長…125mm
 重量…210g
 装弾数…2
 備考…前期型


○実銃について
 正式名称は「REMINGTON DERRINGER (レミントン・デリンジャー)」
 なお、「デリンジャー」の正しいスペルは「deringer」で、rが一つ少ない。
 そもそもデリンジャーとは「小型の携行銃」というような意味合い(かなり大雑把、かつ辞書には無い意味)があるので、単に「デリンジャー」だと実に様々な銃が当てはまる(例:フィラデルフィア・デリンジャー、ハイスタンダードデリンジャー等)
 で、そのうちこのレミントンデリンジャーは1864年、レミントン社のウィリアム・エリオットが開発した上下2連中折れ式のデリンジャーである。
 一般に「デリンジャー」というとこの銃を指すことが多いので混同されがちだが、かのリンカーン大統領暗殺に使われたのは「フィラデルフィア・デリンジャー」であり、本銃ではない。
 全長が12センチちょっとという大きさから、西部開拓時代のガンマンのバックアップ用として、また女性の護身用として利用され、1935年の生産停止まで70年間で15万丁以上が売れた。
 使用弾薬は.41リムファイア。なんとこの大きさで41口径(=約10mm)が撃ててしまうのだ、と驚きたいところだが、実際は装薬量が極端に少ないので威力はさほど無い。
 また、銃身が銃身だけに至近距離以外でのまともな命中は期待できない。
 尤も、このサイズなので「手首に隠しておいて、至近距離からバーン」なんていう使い方が中心になると思うが。


○エアガンについて
 この銃は我がSEAMENの中では曰くつきの銃である。
 ガス漏れが頻発するのだ。
 もともとこの銃は友人のO氏が購入し、ガス漏れから一度管理人の手に渡っている。
 で、管理人がガス漏れを修復し、K氏に譲渡。
 が、その後K氏のもとでもガス漏れを起こし、管理人宅に入院。
 一応の処置をして返却。
 更にK氏のもとでガス漏れを再発し、K氏が使わなくなったことで管理人の手元に渡った。
 そこでまた再手術を受け、一応は復帰したものの、再度ガス漏れが発生、未だに治療中、という身である。
 この銃のみならず、FNR氏が購入したデリンジャーでも発生、更にネットで情報を収集したところ前期型のものはほぼ100パーセントの確立でガス漏れを起こすことが発覚。
 原因は恐らくマルシン側の設計ミス。
 グリップそのものをガスタンクとして使う、というアイデアそのものは良かったのだが、如何せん、シーリングが甘く、すぐにゴムが変形、ガス漏れを起こす、というものだ。
 当初は簡単な加工で改善するのだが、徐々に深刻化し、今管理人の手元にある個体は恐らく末期症状。20℃以上になるとガス漏れを起こす。ユーザーサイドでは手の施しようが無い。
 更に悪いことには前述の通り「グリップがガスタンク」という使用から、ガス漏れすると確実に液ガスが手にかかり、最低でも驚くし、最悪低温火傷、凍傷ということになる。
 マルシンでは第2ロッドから改善、現在出回っているものに関してはガス漏れの心配は無いらしい。また前期型のものもマルシンに送り返したら修理してもらえるらしいが、管理人は面倒なのでしていない。
 で、ガス漏ればかりで悪い銃か、というとそうでもない。
 まず中折れ式、ということ。
 
 この瞬間である。この状態で8mm弾をリロードする。
 デリンジャーの醍醐味ともいえるこの瞬間が非常に楽しい。
 例えていうなら、

 「戦闘中のリロードが堪らない〜堪らないったらたまらない〜」
 という状況である。
 ゑ?分からん?そうか。
 いや、これには深い理由が。

 「デリンジャー・●ョウ○ケだ!とうっ!あ゛〜っ!」
 という一連の台詞が分かる人は恐らく理解できる。
 その他の人には全くわからないと思うがそれでいい。

 とにかく、この瞬間が一番カッコいい。
 で、そこでリロードする8mm弾だが、これはマルシンの最近の主力製品にはことごとく採用されている大口径弾だ。
 以下には通常の6mm弾との違いを示す写真を。
 
 ややピントが甘いが、細かいことを気にしてはならない。
 見りゃ分かると思うが、左が8mm、右が6mmだ。
 こうしてみると全く別物だ、ということがよく分かると思う。
 実際、一瞬BB弾には見えない。どちらかいうとラムネ菓子である。
 これだけサイズが違うと重さも違う。
 通常6mm弾は0.2〜0.25gが一般的だが、8mmは0.34〜0.45gという重量級である。
 高校で物理を1年でもやった人なら分かると思うが、運動エネルギーは重量に比例し、速さの2乗に比例する。
 ということは、単純に質量が2倍になると威力も倍になってしまう。勿論、いくらか初速も落ちるし、空気抵抗も大きくなるので減速も早くなり、結果的にはさほど変わりは無い、ということにはなるのだが、 それでも的に着弾したときの音はなかなか快感である。

 なお、ココを書いてきて少し気になったのが「エアガン規制」にかんすること。
 8mmって大丈夫なのか?と思ったので、これから執筆にかかることにする。

 ともあれ、ギミックや8mm弾等ネタになるものは満載な銃である。

 そうそう、まさかこの銃でサバゲーをしようと思うやつはいないと思うが、一応。
 集弾性に関しては微妙である。
 そもそもこの銃に集弾性なんてものを問うのはお門違いではある。
 が、予想に反し、左右のぶれはかなり少ない。
 問題はHOPが固定かつ強烈なので、重量弾を使ってもかなり浮く。
 なかなかビックリするが、10m前後までなら何とかマンターゲットに何とか着弾させられるだろう。
 もっとも、装弾数が2発なので、使うことにメリットは無いが。

○総評
 で、結局の話。
 お家でちょくちょく撃つならなかなか面白い。
 8mm弾の入手が難しい上に、やや高いので大量に打つには向かないが、そもそも装弾数が2発なので消費量は思ったほどでもない。
 絶対お勧め、というわけではないが、デリンジャーが好きなら結構面白い銃だと思う。
 勿論、初期ロッドではないことを確認してから購入するように。



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