G18C (KSC製)
○テクニカルデータ
全長…202mm
重量…655g
装弾数…23+1
備考…セミ・フルセレクティブファイア
○実銃について
この銃のもとになったのはG17というオーストリア製の銃である。
何だか本家本元の銃を紹介しているパターンが少ないように感じられるがしょうがない。
で、そのG17とはなかなか画期的な銃だった。
ポリマー製フレーム、ストライカー方式、ユニークなトリガーシステムでパッと見水鉄砲。
それまでの銃のような「優雅さ」を完全に排除し、良くも悪くも「道具」として徹底的に割り切って設計されている。
それもそのはず、この銃を開発したグロック社は今まで銃を製造したことはなく、ナイフやプラスティック製品、パラシュートフレアーなどを製作していた会社だった。
それゆえ銃に関する様々な先入観はなくナイフ等と同じ「どんな条件でも普通に使える」事を最優先したものとなる。
ゆえに形は独特のものとなり、当初「おもちゃ」呼ばわりされていた。
尤も、外観もさることながら625gという異様な軽さも関係していたと見られるが。
この銃が世の中に出た当初はプラスティック製のフレームから「金属探知機に反応しない」という噂が流れた。
が、勿論デマである。
フレームやトリガーがポリマーでもスライドやバレルまでプラスティックであるわけがなく、ましてスプリングが写らないはずがない。
さらに最近ではそのデマを重く見たグロック社のほうで改良され、フレームにX線を透過しない材質を混入することで完全に写るようになっている。
ともあれ、一度は悪者扱いされた銃である。
その汚名が返上されたのはその性能が世に知れたときである。
ベレッタより優れ、SIGより安い。ガバメントなんかとは比べ物にならないぐらい軽く、それでいて17発という圧倒的な装弾数を持つ。
優れた耐久性と少ない部品点数から来る安価さ。
そのため様々な国の軍から注目され、オーストリア軍、SWATを始めとし世界40カ国以上の国家や警察、特殊部隊等で採用されている。
軽いポリマー製フレームは寒冷地でも凍結することなく、射手の手の皮を破ることもない。
極力突起を排除したスタイルはジャケットの下に隠しても咄嗟のときに引っかからずすぐに射撃できる。
また、この銃にはマニュアルセイフティ(射手が直接操作する安全装置)がない。
唯一外観上のセイフティはトリガーにつけられたトリガーセイフティ。
これもトリガーを引くだけで解除される。
そのほかにもオートマティックファイアリングピンロック等様々な安全装置が導入されている。
そのため、「safe but still leady to fire(安全だかすぐに撃てる)」である。
生産性向上のためだけに安全装置がついていないロシア製トカレフとは「セイフティがない」の意味合いが違う。
そのG17をオーストリア陸軍特殊部隊「コブラ」の要請でフルオートで撃てるようにしたものがこのG18Cである。
G17の操作性、耐久性を保ったままフルオートで撃てるように改良されたこの銃はその性質ゆえ民間販売が出来ない。
だが公的機関には販売されており、SP等大きな火器が携行できないが火力が必要とされるところでは多く使用されている。
但し、1200発/分というサブマシンガンでも稀な発射サイクルにより制御はかなり難しいらしい。
○エアガンについて
KSC製のG18Cである。
外観はさすがKSC、なかなかである。
中身も良くぞこれだけのスペースにセレクティブファイアを組み込んだ、と思えるような複雑さ。
分解時は細心の注意を払わないと立体パズルを解く羽目になる。
重量はかなり軽く感じる。
655gという実銃よりも重たいぐらいだが、ガバメントやUSPを持った後に握ると見た目以上に軽く感じる。
通常のG17との相違点としてスライド側面につけられたレバーがある。
これがセミオートポジション。
これがフルオートポジション。
切り替えは内部機構の関係でスライドを後方に引いた状態でないと行えない。
切り替えにはクリック感があり、なかなか節度を持って動く。
また、実銃のユニークなトリガーシステムも再現されている。
もともとハンマーがないため、そのままではその銃が発射できるのかそうでないのかが分からない。
が、暗闇で操作することもあるので、なるべく分かりやすいのが望ましい。
そこで、グロックでは今撃てるかどうかを確認するためにトリガーを使う。
具体的には下に示したような感じだ。
上の状態がファイアリングポジション。この状態で引き金を引くとハンマーが落ち、発射される。
上の状態ではハンマー(実銃ではストライカー)が発射状態にない。
この状態では引き金を引くことが出来ないため、射手はスライドを操作し発射状態にする必要がある。
とまあ、説明するのはややまどろっこしいが、使ってみると何のことはない。
引き金が引けたときには弾が出ているのだ。ストライカーがおきていないときには引き金は引けない。
シンプルだが、グロックらしいといえばグロックらしい。
で、肝心の実射性能である。
流石に後発のマルイ製G26には敵わない。
が、必要にして最低限の精度は持ち合わせている。
しっかり調節すれば実戦でも使用可能である。
しかし、それで終わってはG18cである意味がない。
これがG18Cであるためにはフルオートで打たねばならなんのだ。
で、撃ってみた。
すみません。ココで誤ります。
正直見くびってました。
ダラララララ・・・という発射音が響き、あっという間にマガジンが空になる。
後に残るのは弾が切れ、スライドが開いた銃と、一面に散らばるBB弾。それと、口元が緩んでいる俺(危険。
いや、ほんと、これは口元が緩むって。
昔マルゼンのTYPE-Uを撃ったことがあるが、それまでは及ばないもののイメージ的には近いものがある。
尤も、あれが凄まじいだけである。あれは小型の削岩機の間違いだ。
こっちはそれまでは及ばないものの弾が線になって飛んでいくのは同じである。
これはロングマガジンが欲しくなってきたぞ。
でも、あれは鈍器だよなぁ…。
○総評
後半疲れからかグダグダになっているが気にしてはならない。
それほど衝撃が大きかったのだ。
で、買いかどうか。
グロックが好きな人、フルオートジャンキーな人、最近鬱憤が溜まっている人にはお勧めできる。
やや強度に不安が残るが、通常使用の条件下なら問題ない。
片手で全弾打ち切った後の手の痺れはなかなかのものである。
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