USP COMPACT KSC
○テクニカルデータ
全長…173mm
銃身長…未測定
重量…710g
装弾数…21+1
備考…リアルライブオペレーション等搭載
○実銃について
KSCという会社は説明書が親切で助かる。
特に最後のページに乗っている実銃の情報なんて非常に細かくて分かりやすい。
が、こういったページをつくる人間にとってはなかなか厄介だったりする。
他に書く事もないので、略…
分かった、書くから。
書くから、頼むからそのP239を降ろしてくれ。
で、しょうがないので、ちょっと書いてみよう。
そもそもこれをつくったドイツのヘッケラー&コック(以下H&K)はなかなかのへそ曲がりが多かったらしく、単に無難な銃を作ってこなかった。バレル等の交換で4種類の弾を撃ち分けられたHK4、グリップ以外のパーツで初めてプラスティックを多用したP9、ストックと3ショットバーストを搭載したVP70、スクイズコッカーを搭載したP7・・・・等々。
が、そのどれもがあまりに独創的過ぎて、言い方を換えれば変で、あまり商業的な成功は収めなかった。
ちなみに、上記の通り、フレームパーツをプラスティックで作られた最初の銃はP9であり、グロックではない。誤解している人も多いので、ココで訂正されたし。
そんなえらい遠回りをした結果1993年にようやくたどり着いたのがUSPである。
USP、ユニバーサル・ゼルプストラーデ・ピストーレ(英語ではユニバーサル・セルフローディング・ピストル)の名のとおり、非常に模範的で無難な構造となっている。
が、そんな中でもH&Kらしさを忘れなかった。
まずフレーム周りをプラスティックでつくったこと。これはP9からのH&Kの伝統ともいえる。この点では既に1970年から既にプラスティックを多用していたH&Kにようやく時代が追いついたとも言える。
そしてコントロールレバーに託された様々な機能。デコッキングとセイフティーをこのレバー1つで行うというもの。部品点数は減るが、どうも選択を間違えた感もある。この操作方法だとセイフティーを解除するつもりが勢い余ってそのままデコッキングしてしまうということも起こりそうだ。まあ、ここら辺はバリエーションにもよるだろう。事実、このレバーの差だけで実に10種類ものバリエーションが存在する。
また、様々な口径に対応している点もH&Kらしい。今でこそ他社でも行い始めたが、9mm、40S&W、45APCの3種に対応するのはUSPぐらいのものだろう。ちなみに、ここで取り上げているUSPコンパクトではそのほかにも357SIGにも対応している。
更に一部で使いにくいと評判のアンビタイプのマガジンキャッチ。左右どちらからでも平等に使えるが、左右どちらからでも平等に扱いにくい。が、慣れると通常のボタン式よりも使いやすい。握りかえる必要は皆無だ。
極めつけは、今でこそ一般化したが、LAM用のアンダーレールが装備されていることだ。残念なことに20mmのピカニティー規格ではないが。
そんなUSPだが、ドイツ軍にP8という名称で採用されているほか、ドイツ以外では日本の対使徒用特務機関「ネルフ」の職員が使用しているらしい。いわゆる「ミサトさんの銃」である。
ちなみに弁解しておくと自分は純然たるガンマニアで、その他のことには手が回らない。はずだ。
…(深呼吸)で、そのUSPを全長で21mm、全高で9mm短くし、重量を135g減らしてコンシールドキャリー向けにしたものがこのUSPコンパクトである。そのためか装弾数も2発減っているが、それでも13+1発のキャパシティーを有しているため、本来の護身目的には実用十分である。
その他フルサイズのUSPとの相違点はハンマーの指かけ部分が切り落とされ、携行時、ホルスターから抜くときに引っかからないようになっている。またグリップも若干細くなっている。
毎度のコトながらこの説明が長くなるな…。
○エアガンについて
この銃はKSC製である。
フルサイズのUSPより先にコンパクトを出し、先日は45口径モデルを出すなど、他の会社ではまずやらないようなラインナップで発売している。まあ、USPそのものはかなり出回っているので、当然といえば当然だが。
で、この銃は外観が素晴らしい。
こういった直線(平面)が多用されるモデルの場合、設計は簡単だが、実際プラスティックで作るとなるとかな難しい。というのもプラスティックが冷えて固まる際の体積変化などによってヒケが出てしまうことがあるからだ。
が、KSC、ことこのUSPに関しては全くヒケは見受けられない。平面は何処までも平面、まっ平らだ。
また、刻印に関しても極めて正確である。流石はKSCクオリティーである。
パーツ間のクリアランスも極めてタイトである。スライドの平面とあいまって極めてソリッド感が高い。
で、内部に目を移してみると、なかなかいろいろな工夫や機構を積んでいる。
まず目に付くのが若干赤っぽい金属。
これは焼結処理された素材で、耐摩耗性に優れている。
このパーツをトリガー周りに配置することによって、トリガーの切れを向上させるのが目的らしい。
そのためか、或いは機構的な問題か分からないが、トリガーの切れは一品である。軽く、それでいてしっかりとした操作感がある。個人的にシングルアクションのトリガーフィーリングが好みだが、それと比べても遜色はないように感じた。
次にリアルライブオペレーション。マガジンを入れて、スライドを引くまではどうやっても作動しないというシステム。。マガジンを入れただけではカチカチとハンマーが動くだけである。確かに実銃でもスライドを操作しない限り弾は出ないが…。だがスライドの動きに干渉しているっぽいので、考えどころだ。
参考写真
写真中央の丸いパーツがロックプレートと呼ばれるスライドの干渉原因。これのテンションが高すぎるため、スライドに干渉してかなり大きな抵抗を感じる。スライドを引いてゆっくり手を離すと途中で止まるのはこのためだ。
その他ロックアウトデバイス(専用の鍵をかけると一切作動しなくなる)やリアルライブショートリコイル(インナーバレルごとショートリコイル)、デコッキングなど結構内部機構にこだわっている。
そこまでこだわって価格は比較的常識的な戦に収まっている(決して安いとは言わない)ので、頑張ったことは認めよう。
が、欠点もある。
ちなみに、以下にあげる欠点は個体差の問題があると思う、というかここら辺の欠点は恐らく個体差によるものなので全てがそうだと言い切れない。
まず集弾が低いこと。特に、10m以降はなかなか酷い。これはひとえにKSC製のチャンバーパッキンに問題がある。何せ内側に目視で分かるバリが出ているのだ。が、これを取りすぎると発射されなくなる。WAのマグナブローバックのような機械式の作動方式のせいで弾をしっかりと保持する必要があるためだ。
WAの場合は単に径が小さいだけなので加熱処理で対処できたが、これはバリの問題なので煮るわけには行かない。結局あたりが出るまで撃ち続ける必要がある。KSCの銃は最初集弾が悪いが徐々に回復する、という怪現象はバリが取れるまで撃ち続けたことが原因である。
尤も、一般にUSPは集弾が高いといわれているし、現に近距離ではそれなりなので、あまり神経質になるほどのこともないが。自分がマルイのホップに慣れすぎたためかもしれない。
次にマガジン装弾数の問題。これは本当に個体差の問題だと思う。自分のマガジンは21発マガジンに装填するとマガジンが銃に入らなくなる。1発抜くと入るので、恐らくフォロアーのサイズが若干大きいためだと思うが、なんにしてもマガジンを分解するのは気が進まないため、気にしないことにしている。
○総評
それなりに調整するスキルがある、或いはあたりが出るまで撃てる人にはなかなかいい銃である。
持っている、という満足感はWAのそれにも近い。価格的にも納得できるレベルなので、損をした、という感覚はないだろう。
かく言う自分もこの銃にはかなりの思い入れがあるため、ここまで長く、しかも若干辛口になってしまった。気に言っている銃を上から並べると上位3位以内には入るだろう。
○カスタム
この銃に関してはカスタムはほとんどしていない。
あえて言うならチャンバーのバリを取ったぐらいだ。
ちなみに、結構神経を使うので、お勧めはしない。
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